痙縮は「姿勢制御」と「運動制御」が障害された結果生じる

今日は「痙縮への介入②」として、選択運動を取り上げたいと思います。昨今では「ダイナミックシステム理論(システムズセオリー)」に重きをおいて、リハビリを組み立てている医療機関も多いと聞きます。

「臥位禁止」という方針を取っている病院もあると聞きましたが、「臥位」がどういう課題を持ち、どういう環境下にあって、患者は何に失敗しているのか…という側面で考えることは非常に重要であると山田自身は思います。

実際の介入では、臥位から起き上がる際に、痙縮や興奮が増大しないよう誘導することが大切であると理解しています。

動画では、軽度-中程度の左片麻痺の男性を取り上げています。解説の後、後半には介入場面が続きますので、気になる箇所があればチャプターをクリックしてご覧下さい。

■ダイナミックシステム理論(システムズセオリー)
ヒトの発達研究においてシステム的な観点を中心に捉えた理論であり、発達は遺伝的要素、脳内神経、社会的要素などが相互作用しながら形成される複雑なシステムとして捉えるものです。

例えば、「自己組織化」という概念は、個体が外部からの指示なしに、自発的に秩序を形成するプロセスを指し、発達においてもこれが自然に進行することを示唆しています。発達は単なる線形的な過程ではなく、さまざまな要素が相互に影響し合いながら動的に変化していくと考えられています。

リハビリ領域では、身体機能に限らず、その身体が置かれている環境とその個人に託されている課題をうまく遂行できるかどうかが、1つの評価基準になります。

動画内容・チャプター

0:18 システムズセオリー:ダイナミックシステム理論
0:59 臥位禁止の病院・問題の本質
1:45 症例:軽度-中等度痙縮左片麻痺
3:08 介入:非麻痺側の骨盤体
3:59 臥位:積極的にリラックスするという課題
4:24 アライメント調整後の改題の提供
5:39 動画:介入場面