脳フェス主催者 小林純也さん「物が二重に見えてしまう!」複視・内斜視・眼振から考察する脳卒中片麻痺者の目の問題

今回は「脳フェス」の主催者であり、自身も片麻痺当事者である理学療法士の小林純也さんに両国のスタジオにお越し頂きました。
小林さんは右片麻痺ですが、非麻痺側の左側の目に問題を抱えていらっしゃいます。「複視(ふくし)」と言う物が二つに見える症状と「内斜視(ないしゃし)」と言う視線が内側に向かっている症状です。

小林さんに限らず、脳卒中片麻痺者で目の問題を訴える方は少なくありません。
過去の動画でも、脳卒中片麻痺の「目の問題」は何度か取り上げてきました。
「片麻痺」とは言っても、麻痺側の手足に限らず、目や全身にも影響が及ぶことがあります。

・頭の中にモヤがかかっている
・キリがかかったように視界がハッキリ見えない
・眉毛まで上げないとまぶたが開かない

これらの障害は、上下肢と体幹の問題とイコールではないか…というのが、現時点での仮設です。

山田は脳卒中片麻痺者の目の問題に10年以上対峙して来ましたが、小林さんの症状は複雑で、限られた時間の中で完全解決に至る事はできませんでした。
今回の動画では、具体的な結論には達していないので、「経過報告」としてご覧頂ければ幸いです。

とは言え、施術中から今日に至るまで、様々な考えや仮説が僕の頭の中を巡り、日々原因を考え続けています。

小林さんは非常に多忙で、様々な所で活動されており、スケジュールを調整するのは至難の業ですが、数ヶ月に一度両国に訪問頂いて「小林純也を半年でどこまで改善できるかチャレンジ」を企画してみても面白そうです!

療法士の方は、山田がどういう視点で小林さんの身体を評価しているか観察してみて下さいね。

小林純也 カルテ

富田昌夫×小林純也(著)
「患者さんの主観的体感とリハ治療」より抜粋
https://x.gd/GcsBp
※今回のセッションでの小林さんの障害・主訴は、書籍の内容と異なる場合があります。

診断名:
脳梗塞(発症時年齢 23歳)

障害:
右上・下肢運動失調、右半身のしびれ、頸部・腰背部痛、右半身軽度運動麻痺、常時存在する体の重さ、滑舌の悪さ。

経過:
プロボクサーを目指して練習に励んでいたある日、シャドーボクシング中に倒れる。
運動麻痺、感覚障害、運動失調、高次脳機能障害の症状が出現。
2013年、30歳の時に理学療法士の資格を取得。

画像所見:
診断名とは別に脳底動脈狭窄、視床穿通枝(動脈)の梗塞の情報提供。

小林さんの活動

CAMPFIRE キャンプファイヤー
・キャリアランド
復職に悩む障がい当事者と企業の関係を改善
職業体験ができる出張型テーマパーク
https://x.gd/CnGWg
※2024/07/14に募集を開始し、 322人の支援により 4,278,500円の資金を集め、 2024/08/31に募集を終了しました。

脳卒中フェスティバル(脳フェス)
https://noufes.com/

X:小林純也(脳卒中患者だった理学療法士)
https://x.gd/3CsxLs

動画内容・チャプター

2:17 片麻痺者がよく訴える目にまつわる症状(第一の仮説)
3:16 片麻痺者の目の問題を研究して10年以上
4:07 目の問題は上下肢と体幹の問題とイコール(第二の仮説)
4:27 小林さんの目の問題は複雑
4:38 複視(ふくし):物が二つに見えること
5:52 首の筋肉による代償・体幹の支持性の問題
6:45 小林の内斜視:非麻痺側の左側に症状が出現
7:41 山田の考察・仮説
12:40 脳卒中片麻痺者:目に何らかの問題が出てもおかしくない
14:18 小林純也さんへの評価・介入
15:44 左目が下にずれ、瞼の開きがおかしくなる
15:52 前庭動眼反射:頭が動いた時に眼球を反対方向に動かす反射
16:32 右目を隠して左目だけで見る
17:14 眼球運動が起こらないとグレーがかって見える(眼振)
18:00 頸部筋の緊張を取りつつ、動きづらさを確認
19:59 肩甲上腕リズムを整えた後の見え方
20:20 介入終了後:二重に見えるのは変らず…