【脳卒中という病気と後遺症の片麻痺を徹底的に理解する⑦】歩行練習のためにテーブルの物を取る理由とは・協調性障害・筋の協調性・姿勢制御と運動制御

【結論】
・脳卒中片麻痺のリハビリでは、「歩行が出来ないから歩行練習する」事だけが全てではない
・歩行に繋がる筋や関節の協調性を再学習するには、姿勢制御や運動制御が『自動的に生じる』ようなアプローチが必要であり、その一つの手段が「テーブルにあるものを取る」という練習
・これによって"バランスの取れた筋肉の働き"を体験することができ、歩行がしやすくなる
・歩けないのは「筋の弱さ」だけが原因ではない
→但し、この練習は何のためにやるのか、どういう意味があるのか傍目には分かりづらい
→当事者の方に納得して取り組んで貰い、成果をあげるには、訓練の目的やその背後にある理論、メカニズムを療法士がしっかり理解しておく必要がある
【ポイント・まとめ】
・脳卒中後の片麻痺の最も重要な問題は、筋肉の動きが連携しないこと(協調性障害)
・単に筋肉が弱いだけではなく、脳内での運動制御がうまくいかないことが問題
・歩行の練習において、脚の動きだけに焦点を当てるのは不十分
・脳卒中片麻痺者は、筋肉を動かすだけでなく、姿勢制御や運動制御の練習も必要
‐姿勢制御と運動制御
・歩行などの動作を行うためには、まず「姿勢制御」が必要
・姿勢制御には2つある:予測的(姿勢を保つ準備)と受動的(姿勢を調整・修正する)
・歩行練習において、正しい姿勢やバランスを保ちながら、物を取る動作などを組み合わせることで、自然に身体の使い方を学ぶことができる
・筋肉の練習だけではなく、脳が複数の筋肉の活動を調整するための「協調性を鍛える」のを目的としている
・目に見える筋肉の弱さだけではなく、脳内での運動制御が向上することによって、改善できる可能性がある
・協調性を高めるためには、リハビリ中に「バランスの取れた筋肉の働き」を意識して練習し、身体がうまく動くようにすることが大事
動画内容・チャプター
0:16 脳卒中片麻痺者における協調性の問題
1:25 筋肉の活動だけではない多彩な要因
2:00 歩く練習ばかりが重要ではない
3:08「正常運動」という正しい知識だが…
4:33 歩くための協調性に関与する部位は多数
6:25 筋肉や関節を一旦崩す・位置関係を変える
6:50 姿勢制御と運動制御
7:29 予測的・受動的制御
8:23 脳は関節を保持するための筋肉の活動量を制御している
8:56 テーブルの物を取るバランスの練習(課題指向型アプローチ)
9:48 予測的構え(かまえ)と修正的・受動的なバランス
10:50 支える練習と支えながら動いてバランスを取る練習が同時にできる
12:28 療法士の自然な身体の使い方を伝える
13:41 筋肉の弱さは問題ではない
14:52 同じ練習は飽きるのでは毎回変える
15:08 これをやったら確実に良くなる!という方法はない

