脳卒中の後遺症?「寝ていると手足がピクついたり、つってしてしまう状態」を解説・クライアントの実例から"入眠時ミオクローヌス"を考える

今回は、山田が担当しているクライアントの実例から「入眠時ミオクローヌス」の症状や原因について考えてみたいと思います。眠りに入る瞬間に手足がピクついたり、激しくつったり、こわばったりする症状にその方は悩まれていました。「癲癇(てんかん)」ではないかと疑ったこともあったそうです。

こうした症状は「入眠時ミオクローヌス」や「睡眠時ミオクローヌス」と呼ばれ、筋肉が勝手に収縮してしまう不規則な不随意運動と表現されることが多いようです。

健康な人でも眠りに落ちるときに足がビクッと動いたり、朝方に足がつったり、こむら返りが起きたりすることはあるので、生理的な現象と言えます。

しかし、僕のクライアントの場合、脳卒中を発症し、回復期病院に入院中からこうした症状が出始め、現在まで続いているそうです。眠りに入るその瞬間に強張りが襲ってくるため熟睡する事ができず、一時は夜に眠るのが怖いと思った事さえあったそうです。
回復期病院に入院中、満足の行く治療や介入をして貰えなかったと嘆いておられました。

つい先日、山田が出張リハビリで施術したところ、その日限りではありましたが、「入院中から10ヶ月間、毎晩苦しんできたこわばりが生じず安眠できた」という嬉しい報告を頂くことができました。たった1日だけの持続効果でしたが、道筋が見えた気がしており、解決に向けて二人三脚で取り組んでいる所です。
※動画では8か月と言及しましたが、正確には10ヶ月でした。

「入眠時ミオクローヌス」は山田も今回初めて体験した症状なので、科学的な根拠や蓄積されたデータがある訳ではありません。脳卒中を発症された方で、不随運動による不眠の原因が必ずしも「入眠時ミオクローヌス」である、という確証もありません。

今回は僕が担当したクライアントが長期間にわたってこの症状を訴えていたため、同じような症状で苦しんでいる当事者の方や、打開策を探している療法士の先生に対し、少しでも参考になればと思い発信することにしました。

動画内容・チャプター

0:30 入眠時ミオクローヌスで悩むクライアント
1:12 話のテーマ3つ
2:00 そもそも睡眠とは?
3:33 レム睡眠とノンレム睡眠
→ レム:英語の「Rapid Eye Movement(REMs)」の略。急速眼球運動を意味する。
6:00 健常人でも寝入りばなに足がビクッと動く
6:39 睡眠の深さと筋肉の緊張状態に対する考察
9:16 不眠で体力消耗し、記憶や学習にも悪影響
11:20 脳卒中片麻痺者の状況を考察
12:01 胸腰椎後部やTh4が硬くなる傾向
→ 固有背筋:背中の深部に位置し、脊柱を支える筋肉のグループ
13:00 背骨周りの筋肉が硬いと反り返る(交感神経と副交感神経が崩れる)
15:00 痙縮への介入:呼吸筋・足をだらんと下す