【脳幹梗塞】 立ち座りの練習を通じて小脳に覚えて貰う!脳の可塑性と潜在性を活かした脳幹梗塞トミーさんの自主トレNo3

脳幹梗塞トミーさんの自主トレを考えるシリーズの第3回目です。脳には可塑性と潜在性があります。可塑性は脳の学習機能で、潜在性は本当は能力があるのに少しお休みしてしまっている状態と表現できます。

脳に学習してもらうために大切な事は「イメージ」を描くことです。
動いている最中や動いた先がどうなっているかをイメージするのが自主トレでは重要になります。

過去2回の動画では、立ち座りの中で「途中で止まる」ことを推奨してきましたが、効果的な自主トレをするには、途中で止まることをイメージしなくてはいけません。しかし、僕のクライアントも「途中で止める」というのにはなかなか苦戦している方が多く、どうしても勢いよく最後まで立ち上がってしまいます。

イメージができていないので、動作がコントロールできずに、立ち座りの途中で止めることができないようです。

イメージさえあれば立ち座りの動作の途中で止めることができる訳ですが、この機能を司っているのが小脳です。

前回の動画で解説したように、フィードバック回路とフィードフォワード回路という機構が正常に働かず、脊髄から然るべき信号を受け取れなかったり、脳幹から小脳への連絡が適切に行われていなかったりすると、小脳がうまく働かない可能性が考えられます。

小脳でイメージした動作を再現するのに重要なのが「コアマッスル」です。
多裂筋や横隔膜、腹横筋、骨盤底筋など、身体の奥の方に集まっている筋肉が、動作をする前にきちんと働いてくれることが欠かせません。

コアマッスルが先行して働くと同時に、様々な身体部位が適切な位置できちんと止められる協調性があり、且つ、筋活動の最適なタイミングが図れると、麻痺の痛みや親指が曲がる…といった症状はなくなるのでは…と思っています。

「立ち座りの練習」ではなく、「立ち座りという動作を通して」コアマッスルがタイミングよく働いた結果、何も考えずとも自然にふわっとお尻上がるようになるのが、この練習の目的でありゴールです。

コアマッスルの使い勝手の良さや、コアマッスルが円滑に働くための、他の身体部位の協調性が獲得できるかもポイントです。

こうした事を繰り返し練習すると、何も考えなくても小脳が勝手に学習して、脳に可塑性が起こり、立ち上がり動作がラクチンにできるようになる。すると、立ち上がり動作の中で足が突っ張らなくなります。この状態を目指すのです。

流れ

・動作の途中で止まることをイメージする

・コアマッスルが先行的に働き、筋群の協調性とタイミングを合わせられるようにする

・小脳学習が進み可能性が起こる

・動作が楽になり痛みや突っ張りが無くなる

・何も考えずラクに動けた成功体験を繰り返す

歩けるようになりたいからと言って、歩く練習ばかりをただひたすら繰り返していても、「ラクに」歩けるようにはなりません。

小脳に学習して貰うのは、タイミングとコアマッスルの先行的な動きです。

というわけで、今回は脳を変える練習・理論と実践を簡単にお伝えしてみました。
第4回目は、立ち座りで上手に動けるようになったと仮定して、次のステップを配信する予定です。

動画内容・チャプター

1:11 脳の可塑性と潜在性
2:44 間違った立ち座りのイメージ
3:15 イメージが大事:途中で止めるのをイメージ
4:54 小脳機能:イメージした通りに動ける
6:21 コアマッスル・コアスタビリティ
→横隔膜・腹横筋・骨盤底筋・多裂筋が動作の前に働いてくれるのが重要
7:19 山田:ツーリングとぎっくり腰
10:13 コアマッスルが先行するとトミーさんの症状なくなるかも
11:10 タイミング良く動けたら痛みもなくなる可能性
14:12 ★動こうとした時に身体が勝手に動くか
16:13 歩く練習をしたからといって歩けるようにはならない