【43歳 脳出血3年目で寝たきり】起き上がれないのは体幹の痙縮で座っていられないから!?「寝たきりの中身」を深掘りする・聖人さんのご質問No1
今回は「43歳 脳出血3年目で寝たきり」という聖人さんからお寄せいただいたコメントにお答えしようと思います。
脳出血の状況や左右どちらに麻痺があるか、現在行っているパワーリハビリの詳細など、山田が把握していない事も多いので、仮説や推察に基づく内容になりますが、「寝たきり」とは一体どういう事なのかを深掘りして考えていきたいと思っています。
「寝たきり」は、大きく2つに分けられると思います。
寝たきりの中身
①一人で起きられない→動作はムリヤリできる
・脳幹や小脳の問題
・認知的問題
②座っていられない
→麻痺側がぐしゃんと潰れ、座っていても、横になっていてもしんどい
聖人さんの場合、起きられないのではなく、起き上がった後に座れないタイプの方かもしれないと思っています。
体幹に痙性を抱えているので、お身体が硬いのでは…と想像しています。違っていたらご指摘下さい。
体幹に痙縮があり、しっかりと体が起こせない場合、股関節が突っ張ってしまいます。
股関節が突っ張ってしまうと、非麻痺側の身体は何とか曲げておけますが、麻痺側はずるんと足が伸び切ってしまい、お尻が全く使えていない状態になります。
それに加え、肩甲骨や上肢が後ろに引っ張られるので、非麻痺側の手で掴んで、しがみついた体勢でどうにか支えている状態になります。
これは「座っている」のではなく、「倒れそうな状態」と言えます。
横になっていても、麻痺側の腕や手・体幹がぐしゅんと潰れてしまっているので、枕にきちんと頭がつきません。
この姿勢では、横になって寝ている状態ですら相当お辛いでしょう。
今回、聖人さんからは「自主トレを教えて欲しい」といった旨のお問合せを頂きましたが、歩行やパワーリハビリのような自主トレの前に、「立ち上がり動作」の練習をした方が効果的かもしれません。
また、「寝られて、きちんと身体が休まる状態」にしてあげる事も重要と考えます。
夜きちんと寝られると頭がすっきりしてきます。
そこで初めて次のステップに進む余裕が生まれます。
麻痺側の身体の緊張が変わってくるように、ご自分で色々と身体を動かしてみて、重心移動による感じ方の違いなどを探索してみる。
ここに来るとちょっとこう楽になるぞとか、ここにお尻が乗っかるとこうちょっと変わるぞ…といった具合に、認知を使って、ご自身の頭を使って探るっていうことをする必要があります。
痙縮している筋がちゃんと伸び縮みして緩んでくれると、ラクに座れるようになるんです。
そうなった暁月には、今度その状況を「立位」でも、再現できるように進めていくのが望ましいです。
痙縮に関しては、僕がサブチャンネルで運営している療法士向けの「リハビリ職人育成講座」でも解説しています。宜しければそちらも視聴なさってみて下さい。
概要欄に2本、関連動画のリンクを添付しておきますね。
11月17日(水)には三輪書店 共済セミナーも開催されます。療法士の方は是非ご参加下さいませ。
動画内容・チャプター
1:34 「寝たきりの中身」をどう理解するか
3:39 2つで考え方が全く異なる
5:21 起き上がった後に座れないタイプの方かも
5:42 身体が硬い=体幹の痙性
7:47 座っていられない状況とは
9:40 痙縮を取る:立ち座り練習
10:27 横になっても麻痺側は潰れている状態
12:21 自主トレの前に寝られるようになる事から
13:24 痙縮があると姿勢変化が生じない
15:40リハビリノウハウが確立されていない
リハビリ職人育成講座・痙縮関連の動画
【Case File8】「内観による痙縮介入と解説」 臥位での安定面を探す・横になっても全身が緊張して腕が曲がる原因
https://www.youtube.com/watch?v=F3JZqZRJRYo
【痙縮に対する介入3選】運動麻痺+姿勢制御に関わる神経に問題が生じると痙縮が起こる・抑制系を働かせてあげる
https://www.youtube.com/watch?v=hzTANjGgC-c
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11月27日(水)19:00~ 事前申し込み制
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※LIVE配信のみでアーカイブは残りません